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2010年05月20日

「人体の不思議展」に倫理上の問題ですと!?



前回の記事にて下関であった「人体の不思議展」を書きました。
すると珍しくコメントに書き込みが。
それも、この展示には倫理上の問題があるとか。
で、コメントのリンクを見ると確かに問題となっているもよう。

さらにグーグル検索してみればでるわでるわ。
前もって「人体の不思議展」でもっと検索しとけば、書く前に気づいたろうに。
うーん、最近他人様へのリンクをさぼっていた仇がでました。
という事で、今回のこの問題について。


1.まず、「献体」が本当なのか?問題


展示されているのは中国でつくられたものらしいのですが。
どうやら中国での「献体」が証明されていないようです。
つまり、本人らがこのような形での展示にどこまで同意していたかが不明瞭。
そうなってくるとそれはさすがにだめだと思います。
また、遺族の同意というのもあってから展示されて欲しいものです。
この同意の問題が多分反対派の最大の要因だろうな。

あと、本人や遺族の同意があったとして。
社会としてこういう展示を許すかどうかですよね。
例えば売春行為は本人らが同意していても現在の日本の社会通念としては許されない。
では、社会としてこういった展示は認められるのか。

それから現行の法律上の問題。
法律としてはこのような形の献体の活用はあまり想定されていない様子。
また中国の遺体の扱いを日本の法律で規定できるのかとかとか。
ここいらは制度や仕組みの問題として専門家にまかせるしかありません。

以上のような形で、人体の展示をする事自体にまつわる問題があるそうです。


2.「献体」だとして、展示の在り方について反対派の意見に意見する!


「人体の不思議展」に疑問を持つ会に反対派の問題とする点がいくつかあげられています。
「人体の不思議展」に関する要望書
「人体の不思議展」青森展の中止を求める市民の会の記者会見資料
それらから勝手に要約して抜き書きすると
・主催者が医療関係以外であり、グッズ販売など商業的匂いがする事。
・「不自然な」ポーズや遺体に触らせるなどの「見せ物」感があるらしい事。
などがあげられてます。

が、反対派の医療関係者も似たような展示をした事がありました。
日本解剖学会が1995年に国立科学博物館で「人体の世界」展をやってます。
入場料だってほぼ同額で似たような展示なのに、こちらは今でも大成功とされているらしい。
「人体の不思議」展と「人体の世界」展が具体的にどう違うのか知りたい所です。
少なくとも僕はそこまで商業的匂いを感じませんでした。
グッズは僕は買わなかったしね(笑)。

ドイツアメリカだとけっこうインパクトある姿勢になっていたようですが。
人体の「不自然な」ポーズは下関展ではあまりなかった気がします。
動きをもたせる事は展示される体と私達を同一のものと見させる効果はあるんじゃないかと。
また、僕はてっきりそのポーズで少しは体のしくみが表されるのかと思ってましたが。
どうもこちらの記事によるとポーズさせていても、筋肉の収縮とかは関係ないみたいです。
でも、ある意味直立不動の姿勢のほうがよっぽど「不自然な」姿勢の気も・・・。

同意を前提としてですが、このような展示の内容にはそこまで問題とは思いませんでした。


3.問われるのは展示内容じゃなくて、それを見る私の側の倫理問題じゃなかろうかと・・・


「『人体の不思議展』の倫理的問題点について」という反対派の論文がありました。
「慰霊碑」がないだとか、遺体に敬意を払う掲示やアナウンスが必要だとかあります。
「霊を慰めなくてはならない」という事自体ツッコメば色々あるんですが。
いづれにしろ、それらはおよそ強制されるものじゃないと思います。

展示の見方で、観客がきゃっきゃっ言っていただとか、を問題にしてますが。
それこそ主催者というより見る側の倫理が問われるだけであって。
例えば、エジプトのミイラなどはどれだけの人が遺体として見ているでしょうか。
展示場でことさらにそういう掲示は見た事がないです。
結局は見る側の姿勢の問題であって、いちいちアナウンスされなきゃいけないのも情けない。

客が血管を見て「珊瑚のようだなぁ」、筋肉を見て「ビーフジャーキー」など言う事も問題らしい。
言い方にもよるけど、僕はこれを問題とは思いません。
どういう意味で問題視してるのかちょっと分かりませんでした。
人間は珊瑚やビーフジャーキーに似せられて虐げられたという意味でしょうか。
では珊瑚や動物の肉より人間の体はそんなに尊いのでしょうか。

前の記事にも書きましたが、
確かに献体の人体を展示するからこその解説という意味では不十分ではありました。
ただ展示の内容そのものは倫理的に問題があるとは思えませんでした。
反対派の意見の中で、展示内容についての批判には賛同できない部分が多くあります。
唯一、本人や遺族の同意の件については確かに証明されるべきだと思います。

ちなみに、読売新聞の掲示板「発言小町」では後援者らしく?肯定的意見が多いようです(笑)。
でも、展示の内容に違和感を持つ人ばかりではない事の1つの表れだと思います。
あと、基本的にこの問題がどう転ぼうとも議論がある事を残すため、
人体の不思議展に関する記事は削除しない方向でいこうと思います。


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この記事へのコメント
はじめて、コメントします。
私も、賛成です。
見て、感激したし、勉強になりました。
それが、敬意を表すことだと思います。
私も、献体しようと思っていますが、死んでしまって、灰になるより、何かのお役にたてればと思うからです。
あの人体に指名や年齢が書いてあったら、あまりにも、その人を連想させて嫌ですが、
いわゆる「なきがら」ですから、
淡々と、人体として、体の不思議さを感動させていただければ、「わぁ~」とか言いながら見たっていいと思います。
解剖医が感想を言いながら、解剖しているように。
そして、自分の体を大切にして、生きようと思いました。
Posted by やまぼうしやまぼうし at 2010年05月20日 20:33
やまぼうしさん、早速のコメントありがとうございます。
しかも、賛成してもらえると尚嬉しいものですね。

僕も展示として献体しても良いと今は思っています。
でも、実は家族となるとちょっと考えてしまう気がします。
展示はしてもらって私自身は直には見ないという方法もあるかもしれません。
今、考えている意志も今後変わるかもしれません。

それだけ同意の問題は難しいと思ってます。
ただ、反対派の同意の件以外の批判がどうもしっくりこなかったので、
この記事を書いてみたのでした。
Posted by nettarou at 2010年05月21日 19:56
私も展示には賛成ですね。

実際、見に行きましたけど、非常に勉強になりましたし、人体のしくみや命と真剣に向き合う機会を与えてくれた事に感謝しました。
(もちろん献体になって下さった方々にも)

万一、不謹慎な気持ちで見に来た人がいたとしても、普通の神経が通っていれば、あの場所に立てば、おのずと真摯な感情が芽生えるのが至極当然の事でしょう・・・。

倫理上の問題も特に感じませんでした。
というか、博物館に展示されている動物や昆虫の標本は倫理的に問題はなく、
対象が人間になると途端に問題になるという点で、個人的には解せません。
(それこそ生前と死後の彼等を無視した行為ですよ)

あらゆる尊厳は、地球上に存在する全ての生命に与えられるべきものだと思いますけどね。
Posted by みん at 2011年01月19日 22:46
みんさん、コメントありがとうございます。

人間以外の生物に対する尊厳の問題は大切ですね。彼らが直接人間に文句言う事はないですから見落とされがち。展示する側や展示を見る側が展示されている側の事を考えることは少ないですしね。

僕自身もこの展示の問題については、これからも色々気付かされ考えて行く事になるだろうなと思っています。その中で意見が変わって行くこともあるかもしれませんが。

ただ、医師会などの反対派が堂々と正式に宣言しているわりには、その批判の根拠の示し方があまりに雑な感じがしたので、ちょこちょこっと意見を書いてみました。
Posted by nettarounettarou at 2011年01月20日 21:41
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