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2010年02月22日

「井上雄彦 最後のマンガ展」は肉食系なのです!



ちょっと遠征してきました。
大阪のサントリーミュージアム天保山
2010年12月末をもって「休館」するのでその前に行かねばと。
海遊館という水族館の隣なんですね。
立地として悪くないと思うんですが・・・。
閉館でなく「休館」である事から継続的な発展を望みます。


1.美術館は終わりそうでも「最後のマンガ展」はなかなか終わらない


【1年後に休館してしまうサントリーミュージアム天保山。設計は安藤忠雄氏。】

さて、展示は「井上雄彦 最後のマンガ展」。
こちらも最後と銘打ってますが、「重版」でという事で好評のようです。
こちらはいつまでも最後にならないかもしれませんね。

井上雄彦といえばスラムダンク。
そしていまはバガボンドで若者に人気。
立地上カップルが多かったですね。
カレシは読んでても、カノジョは全く分からないような会話してました。
美術館と言えば女性が多いイメージですが、この展示では逆転しそうです。

特に予習もせずに行きました。
マンガの展示という事で、原稿とか下書き類の展示かと思ってました。
が、違うんですね。
その中身はというと・・・


2.そこは美術館の中というより、マンガの中でした


【もちろん写真は禁止ですが入り口の大きな絵のみ可能なようです。】

展示は書き下ろしの一篇そのもの。
観客は美術館でマンガを読ませられ、見せられるわけです。
入場制限や時間毎の予約券などは順番に読むためだったんですね。
そりゃ、普通の展示と違って流れを無視しにくいわなぁ。

もちろん、ただマンガのページを壁にはっただけではありません。
展示スペース全体がマンガの中に入り込んだような見せ方です。
あんまり書くと映画のようにネタバレに近くなるのでやめときます。
ただ、こういう見せ方がまだあったなぁと大変楽しめました。

マンガは本にしろ携帯やデジタルにしろ一定の枠の中を読む。
しかし、この展示のような見せ方では自らがマンガの中に入ったよう。
マンガは基本的に白い面が多いので、壁面を白くするとそう錯覚しやすい。
また、今回のバガボンドは水墨画的な表現でありその点もシンクロしやすかった。
なら、モノクロ写真とかでも似た演出は可能かも。

手元にしかおさまらなかった世界に逆にかこまれる体験。
世の中デジタルだ3Dだと言われるなか、この感覚は忘れがたい。
それがマンガを素材に実現された事が面白い。


3.「肉食系展示」と「草食系展示」どちらがお好みですか?


【観覧者のコメントが展示されてます。これは双方向性をもった距離感。】

今回のような見せ方は「肉食系展示」。
がっつり作り手の世界観なりを観覧者にせまるタイプ。
その世界を存分に楽しむ事ができそう。
もっとこんな展示が増えてもいいと思う。
しかし、問題点もありそう。

多くの展示は学芸員さんがつくります。
展示空間と展示そのものをつくっている人は異なるわけです。
今回のような形で空間をつくりすぎるのは、展示品のオリジナリティを損なうかもしれません。
学芸員さんの見方を押し付ける事になる。

一方の、「草食系展示」とは展示品がポツンとあって少々の解説のみという展示。
がつがつせずそっと、そこにいる形。
僕は少し物足りなく感じるのであんまり好きではないのです。
しかし、この形も押し付けがましくなく謙虚な姿勢として望まれる形なのかな。
観覧者に自由を与えているとも言えるかも。

んでも、つくりこまれた展示空間の方が単純に楽しめる点も捨てがたい。
う〜ん、この距離感は難しいですね。
まるで、恋人との距離感のように。
という事で、両方のコーナーをもつような「雑食」が理想ですかね(笑)


【ドットで描かれたバックを購入。僕にはこのぐらいの目立たなさがちょうど良い。】


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