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2007年12月08日

下関市の梅光学院大学博物館「中世人骨は語る」講演会


↑梅光学院大学の位置です。
駐車場がないという事だったので、市役所近くの唐戸地区から歩いて行きました。
20分から30分ぐらいですかね。
着いたら隣が運動公園だった事を知り、ここに駐車すりゃ良かったやん。


梅光学院大学梅光学院大学の校舎です。
さすがキリスト教系の私大といった感じ。
博物館内は撮影禁止ですし、梅光っぽい写真という事で。


1.中世人骨から現代人、そして未来人へ
講演の話から。
まずは、中世のお墓のお話。
鎌倉市の由比ヶ浜南遺跡からは3000体以上の人骨が出土しました。
中には頭蓋骨だけをたくさん集めたような埋まり方のものあり、刀傷がみられるものもたくさんありました。
やはり、戦乱の犠牲者が多くいたという事でしょうかねぇ。

そして、西日本各地では貿易陶磁器と鉄刀が副葬された中世人骨があります。
中でも、旧豊北町の例は当時としては最大級の170cm近くの人骨という特徴があるそうです。
弥生時代の土井ヶ浜遺跡のような大陸系の人が中世にもいたんでしょうかねぇ。

中世人骨の特徴は3つ。
上から見て頭が縦長く、また咀嚼能力が弱体化する事。
おそ松君のイヤミのごとく(実際に講師の方が挙げた例ですよ)、上の歯が突き出るようになる事。
鼻が低くなる事。
これが、上から順に形成されたそうです。

さて、ここから現代人に至までに、
上から見て頭は真円に近づき、
上歯の出っ張りの凹んで元に戻り、
鼻もより高くなりつつあるようです。

こう見ると、なんだかスタイルが良くなったように思えますが。
近年言われるように、咀嚼能力の低下により下あごが小さく尖ってきているそうです。
また、運動不足から全体に骨の弱体化がみられます。
この事は短命化していく事が予想され、また現にそうなってるのかもしれないらしいです。
丈夫な親よりも早くに亡くなる人が増えているのかもしれません。
対策としては、よく時間をかけて噛み、運動を日常的に行う事だそうです。

いやー、歴史の講演会で健康情報を聞く事になるとは思いませんでした。
しかし、歴史の役割の大きなものとして。現在や未来を読むというのが大合唱されますからね。
本来はここまで語られるべき所ですが、実際には過去のお話で終わってしまいがち。
その点でつなぎ方の面白い話が聞けました。


2.一休さんも出っ歯ザマス!

さて、展示の方はというと、図書館の一室が博物館の展示室でした。
中世の人骨はもちろん、墓からの出土土器や陶磁器、さらに遺構の写真パネルがありました。
また、中世の絵図の本などもあり、それらから読み取れる事などもありました。
さらに、人骨を調査する過程も説明され、実測道具も置かれてました。

鎌倉の由比ヶ浜南遺跡で出土した大量の人骨には刃物で鋭く切られた跡がくっきりと見られました。
肉だけでなく骨まで断つ威力は凄まじいものです。
海水浴で賑わう全国の砂浜の中には、その下に実はまだまだこういった人骨が眠ってるのですよね・・・。
ちょっと恐ろしい気もしますが、きっと現地に立てばすっかり忘れて遊んじゃうんですけどね。

また、当時の有名人の肖像画の写真が並べられて、きっと出っ歯に違いないなんて解説があったり。
一休さんやら、伝頼朝やら、歯は見えてないけど確かに口元がそう見えなくもない。
ああいう感じなのは、当時の絵の描き方の表現の問題かと思っていたけど。
人骨からすると、結構写実的に描かれているのかも。

そして、中世のお墓のあり方について簡単に学ぶ事ができました。
横向きに体育座りのように埋葬される事やら。
火葬と土葬の問題やら。
最初の主だけは屋敷内に埋葬されたらしく、これがイエ制度に繋がるらしい事など。


3.今回の展示について

公立と私立大学の博物館の交流という企画展。
自分も土井ヶ浜の博物館での企画展のときは行けなかった事もあって良い機会でした。
しかし、一方でやはり個々の博物館ならではの企画展を期待したいですね。

展示においては、形質人類学、考古学、文献史学のバランスがとれたものだと感じました。
企画展となるとおほとんどが1人の学芸員によって準備されるものだと思います。
自ずとその学芸員の専門に限定されがちです。
例えば、今回のなんかも人骨だけっていうの有り得たと思うんですよね。
その点でやっぱり学際性って面白いなぁと改めて思ったわけです。

また、可愛らしいイラストが多い事などもここならではの特徴だと思いました。


以下は関連するリンクです。
『梅光学院大学博物館』の「 ★企画展のご案内」
  公式ホームページです。
  他にも藤山一雄調査研究など独自の活動の記事もあります。

『土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム』の「トピックス」
  公式ホームページです。
  9月に行われたシンポジウムなどについて書かれています。

『西日本新聞』の「人骨から探る中世人の世界 下関初の官民連携展示 土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアムと共同企画」
  概要が書かれたニュース記事です。


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