2010年04月15日
下関の田中絹代ぶんか館は今後の発展こそが楽しみ!
もうけっこう前になりますが、下関に田中絹代ぶんか館ができました。
もとは大正13(1924)年に旧逓信省下関電信局電話課庁舎としてたてられた建物。
その後、旧市庁舎第一別館となりこの度修復し田中絹代ぶんか館となりました。
また、名誉館長には下関市在住の作家古川薫さんを迎え
近隣の近代文学者を紹介する機能もあるみたいです。
1.開館記念シンポで聞いた田中絹代ぶんか館の見どころ
【建物は旧市庁舎第一別館としても活用された。手前が弁財天橋。】
2月14日に開館記念第二部として建築面でのシンポジウムがありました。
基調講演は日本銀行下関支店の支店長さん。
なんで銀行関係の人が?と思うのですがあなどるなかれ。
見事な博学ぶりでこの建物の楽しみ方をお話されてました。
講演内容を全部書くと盗作のようで申し訳ないのでいくつかだけ紹介しますね。
この建物、なんとも不思議なかわいらしさ。
パルテノンのような柱と赤い丸い屋根。
柱は西洋風をそのまま移植したようですが、赤い丸い屋根は新たな特色。
当時の人々が西洋との折衷をどう選択したのかがうかがえます。
これを見て、私たちの生活する建物のデザインをどうしたら
より豊かな暮らしになるのか考えてみたいところです。
また、写真の右下に「べさいてんばし」とあり、これは「弁財天橋」。
さらには、近くには金子みすゞが詩作していた上山文英堂があったそうです。
ちょうど同じ時期にこの建物ができたので、みすゞも見ていたはず。
そこにいま、田中絹代の記念館ができた事。
何故だかこの土地が女性づいている気がしてきますよね。
そういった歴史を知ると、普通の街も興味深く思えてきます。
支店長さんが言ってました。
建築史を縦糸に、歴史的背景を横糸にすると、素敵な織物ができる、と。
2.ぶんか館にも行ってみたけど、ちょっと残念な気持ちに・・・
【3階は休憩室。改修時の部材などが展示されてました。】
さてさて、後日ぶんか館も実際に見に行きました。
まずは1階が地元の文学者。
地元の文学サークルや出身作家の紹介。
それから名誉館長の古川薫氏の書斎などが展示されてました。
古川氏の古いパソコンは年代物で文学ファンよりパソコンファンが喜びそう(笑)
2階が田中絹代の展示でここからが有料。
田中絹代って子供時代に下関を離れるんですね。
それだけでここまで立ち上げたのは逆にすごい(笑)
もともと資料が少ないのか、残念ながら物足りない感じがしました。
特にデータベースは未完成な感じがありありなので今後の充実に期待です。
3階が休憩室兼建築のパネル展示でした。
また、改修時にとられた部材などが展示されてます。
この部屋はつくられた当時も女性職員の休憩所だったそうです。
カフェや図書室などに活用できそうなのでこちらも今後の発展が望まれます。
3.田中絹代ぶんか館ではない「ぶんか館」へ
【3階屋上。このオープンスペースもどう活用されるか楽しみです。】
私自身は田中絹代をよく知らず、この展示を見てもあまりよく分かりませんでした。
ただ年配の方々は色々と思い出されて良かったみたいですけど。
田中絹代の作品の上映会などを頻繁に行うと良いかも。
著作権などの問題などでなかなか難しい面もあるのかな?
田中絹代という看板はどうも若干先走った印象があります。
あまり田中絹代さんだけに捕らわれ過ぎない方がいいのかもしれません。
下関の文学館施設としてみた方が活用にも幅が広がりそうです。
あるいは、金子みすゞなど女性の活躍といったテーマとか。
物足りないだとか色々ケチをつけてしまいましたが。
逆に言えばこの施設は発展する余白を十分にもったものです。
すみからすみまでガッツリつくってしまっても身動きしづらいですものね。
展示空間、収蔵資料ともにまだまだ遊びのあるこの施設の今後の展開が楽しみです。
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