2007年11月10日
産業考古学会2007年度全国大会(北九州)に参加しました!!
↑会場の九州国際大学の位置です。
八幡という事で工場の町っていうイメージだったのですが。
駅前からの大学までの大きな通りはすっかり学園都市みたいでした。
今は紅葉の並木道になってました。
産業考古学を知ってますか?
日本においては、主に明治維新前後以降の近代産業化に関わるものを扱った考古学です。
一般の考古学が土中のものが主なのに対して、
こちらは現在でも地上の残っている建物や工場、橋などを扱うものみたいです。
その全国組織の産業考古学会の大会が北九州市であるとの事で参加してみました。
全国組織の学会というと首都圏での行事が多いのですが。
今回、なぜ北九州市で大会が行われたかというと、
現在、九州は「九州山口の近代化遺産遺跡群」を世界遺産にしようという事で熱いのです。
大会は11月10日(土)に九州国際大学を会場に、
研究発表会、記念講演、シンポジウムが行われました。
11日(日)には北九州市内の近代化遺産の見学会がありました。
見学会には所用で参加できませんでした。
資料代は2000円でしたが、基本は会員でなくても申込不要で無料で参加できました。
朝は8:45からって事で最初こそ会場の割にっていう人数でしたが、
午後以降は200人弱くらいになってたかな。
年齢層はさすがに高かったけどね(笑)
研究発表会では全国各地の建物などの歴史的位置づけや、
また、遺産の保存・活用問題まで多岐に渡りました。
具体的にどういう研究をするのか知る事ができました。
レンガの成分分析からどこ産のものか、
建物の特徴などから、どういった経緯で建てられたのか、
あるいは、復元や史料なども利用して歴史的実態を研究したものがありました。
また、保存運動や教育や観光を含めた活用についての発表もありました。
午後からの記念講演では、日本の近代化において西洋からの技術がどのように取り入れられてきたかについて話を聞きました。
決して単純にそのまま導入されたわけではない事を知りました。
官営工場の民間への払い下げは技術を民間に移譲するためではなく、
当時の政府が経済的に維持して行くのが困難であったからなど多角的な状況からであるという話がありました。
また、九州という土地柄が江戸時代の頃から外国への理解を促しており、
そのため、九州山口が近代化を主導するようになる一因でもあったなどの話も。
本当は研究者の立場から、保存活用の問題についてのお話も聞きたかったのですが、
そこは時間切れという事で。
そして、その後九州の研究者を中心にシンポジウムが行われました。
各地域での遺産の概要と保存運動などについて説明がありました。
しかし、なかなかシンポジウムとしてのテーマが広く論点がはっきりしてませんでした。
どこの学会のシンポジウムでも思うのですが、もう少しうまく出来ないものかなぁと。
逆にあまり整理しすぎてしまうと台本ありきになってしまうのでそれも問題なんですが。
まず、実際の研究としてどんな事をやっているのかに興味があって参加しました。
その点に関しては、気になったのは多くは個別の資料の説明が多かったかなと思いました。
体系的な研究はあまりなく、各々の地域の方が各々の遺産を語るといった所。
そっちはもう既にやりつくされて、たまたま今回の発表例がそっちに偏っただけかもしれません。
しかし、資料自体が少ないという点はあるにしろ、検証のためにも資料数の問題は大きいと思います。
全体を知った上でこそ、個別の価値や位置が決定できるのですから。
そして、もうひとつは保存活用の問題です。
当日も多くの方が、世界遺産への運動も一時のブームにしかならないのではという危惧をもっておられました。
このままでは日本各地に世界遺産がある状態になってしまいます。
それでは、せっかくの世界遺産の看板も観光地としての威力も減じるのではないでしょうか。
世界遺産制度の問題の方は世界にまかせるとして。
日本の中での遺産の残し方については考えて行かねばなりません。
なぜ残すのか、どこまでを残して行くのか、どう残して行くのか。
そういった面での話が聞けるかと思ったのですが、なかなか話は盛り上がりませんでした。
産業考古学会という分野をやや大きく逸脱する話題かもしれませんが。
それでも、学会として保存を要望して行くなら避けては通れない話です。
個別の研究群とは別に同じくらい保存活用の研究分野が大きくなると良いなと思いました。
以下に関連するリンクをはっておきましす。
・『産業考古学会』
産業考古学会の公式ページです。
推薦産業遺産リストなどもあります。
・『九州産業考古学会』
九州産業考古学会の公式ページです。
・『鹿児島県』の「九州近代化産業遺産」
鹿児島県による関連ページです。
概要およびリンク集があります。
・『世界遺産資料館』
日本における世界遺産をめざす運動の一覧などがあります。
・『産業考古学研究室』
西日本を中心として写真つきの近代化産業遺産のリストなどが紹介されてます。
・『門司文録:』の「大里好々亭、赤煉瓦ネットワーク2007全国大会、整備された門司駅北口周辺」
同時開催された「赤煉瓦ネットワーク2007門司大会」の模様が書かれています。
こちらも保存活用の面で参加したかった。











