2007年10月27日
北九州市立いのちのたび博物館「修験の歴史と自然」
北九州市立 いのちのたび博物館[ 自然史・歴史博物館 ]に行ってきました。
秋の特別展示「修験の歴史と自然ー西日本の山の信仰ー」平成19年10月12日(金)~11月11日(日)
がありまして、講演会もあったので10月27日(土)を狙って行きました。
1.特別展示について
修験道については全くよく知らないので勉強のつもりで行きました。
講演会が始まる少し前に着いたので先に展示を見ました。
が、再入場ができないそうな。
ええー、なんでそんな不便なシステムなんだよ。
講演会の後にみんなが行って混雑するのを避けるためなのかなぁ。
展示は割とこじんまりとした感じでした。
狛犬やら像などを触れるほど(もちろん触ってはダメです)近くに見れたのは良かったです。
また、子供用みたいなクイズなどもありました。
しかし、あとはなかなか一般には分かりづらいですよね。
解説を読んでもいまいちチンプンカンプン。
まさに歴史系の展示って感じがしました。
2.講演について
「九州の山岳信仰と自然保護」
講師:長野覚(日本山岳修験学会顧問)
毎日新聞の記事
一方の講演の方ははじめこそ眠気に負けそうでしたが、
スライドやら、実際に修験道の達人の実演など後半は会場の反応も良かったと思います。
歴史系の場合、環境問題と絡めるのは割と今理解されやすいテーマだと思います。
これまでに、我々はどのように自然とつきあってきたのか。
信仰上、聖域化された地域は開発される事がありませんでした。
現代人も山や自然に対する畏敬の念は変わらない所があります。
そういった精神面からも自然保護について考える事ができるのかもしれません。
また、修験道の世界では日本を
東国:山形県の羽黒山
西国:奈良県の熊野大峰山
九州:福岡県・大分県の英彦山
の三分割にする事が面白かったです。
九州という地域は、歴史上特別な地域であり、現在の地域観と異なる見方もあるのですね。
3.常設展について
そして、あとは常設展示の方を見て回りました。
いやいや、広いのなんのって。
しかし、自分は恐竜や生物系にあまり興味がないのでかなり素通りでした。
恐竜の骨骼や、ジオラマっぽい体験施設などは子供には大人気だろうなぁ。
一方の歴史系。
こちらも模型やら竪穴住居、戦前の民家、昭和の住居が実物大に復元されてたり。
ただ、遺物などの展示はやはりいつもの物の陳列だけ。
解説版を読む人はどれだけいるのだろうと思ってしまいます。
果たして興味をもってもらえる入り口になるかどうか。
通史という歴史の語り方ではもうダメなのではと思ってます。
例えば、住居史を通した家族史などのテーマ史の整備が必要かと。
通史といっても従来のものはほとんどが政治史的なものであって。
女性史や子供史、老人史なども必要だと思うのです。
書籍や学会などでは見かけるのですが、まだ教科書や一般の博物館施設ではなかなか見られません。
企画展などだけでなく、そろそろ常設においてもあってもいいんじゃないかと思います。
また、この博物館だからこそ自然史との関わりを総合させるような展示があるべきだと思います。
また、遺物の展示についてもただ並べるだけでなく主張をもった並び方が欲しい所です。
ここでも、土器の変遷順に並べてはありましたが、どこを見ればいいのか分かりません。
シンプルにした3段階の前期と中期と後期だけでは間を飛ばし過ぎてるのかも。
逆に細かい型式でも並べてみた方が変化の様子が分かりやすいかもしれません。
その方が単純に人間がつくる物の形の変化を楽しんでもらえるのでは?
あるいは、石器や土器の時期や形式など書かれてもチンプンカンプンです。
それらを見る事で何が分かるのかが知りたい事だと思うのです。
地域圏のあり方であったり、生業の様子だったり。
そういった事象を展示のメーンにした見せ方が必要なのではないでしょうか。
もちろん、物としての形などの魅力もありますが、それを感じ取るのはごく一部の人じゃないかと。
まだ、生業や集団像などの方が皆さん興味があると思うんです。
上のような事はもしかしたら、ワークシートなどが用意されているのかもしれません。
しかし、それがないと学べないのももったいない気がします。
以上の事はここの博物館に限った事でなく。
歴史系の展示全般に感じる事です。
自分は大学で歴史系を学んでいた事もあって、つい生意気にも意見をいいたくなります。
もちろん、予算の関係やら時間が足りないなど展示を準備される方も大変でしょうが。
新しい博物館はできてる割には実は展示の見せ方などはあまり新しくなってない気がします。
映像機器などは新しくなってますが、ソフト面での革新が必要かと思うのです。
動物園での見せ方が変わってきているように。


