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2011年04月21日

(〜2/12)30才のふるさと、読書遍歴@中原中也記念館


前回の記事から二週間が過ぎてしまいました。東日本大震災も一ヶ月がたち、その事を記事にするために時間がかかった・・・というわけではありません。ただ、他のやるべき作業に忙しかっただけです。はい。もちろん、震災の事についてもいつかは再び記事にしたいなぁとは思ってますが。

さて、今回は山口市の湯田温泉にある中原中也記念館です。「汚れつちまつた悲しみに」といった詩が有名な中原中也。1年間常設される常設テーマ展示「これが私の故里だ」。そして、もう終わってしまったのだけど、企画展「中也が読んだ本」について。

以下はこんな感じです。
1.中也青年にとってのふるさと
2.中也とちがって、中也の祖父や父は郷土LOVE
3.「中也が読んだ本」から中也の頭ん中をのぞきみる

1.中也青年にとってのふるさと

まずは、常設テーマ展示「これが私の故里だ」。これは来年、平成24年の2月12日まで一年間展示されているものです。常設展と言いつつ1年毎の企画展のようなもの。中也の生涯とともに、ふるさととの関係などが展示されています。中也の小学6年のときの答案用紙なんかもありますよ。もちろん自筆。そして、もちろん100点だったり。

ごくごく簡単に特に湯田との関係を中心に略年表を抜き書きしてみれば。
明治40年<1907年>(0歳) 4月29日、父謙助、母フクの長男として、現在の湯田温泉に誕生。
大正9年<1920年>(13歳) 4月、県立山口中学に入学。文学が忙しく学業を怠るようになる。
大正12年<1923年>(16歳) 3月、落第。4月、京都の立命館中学第3学年に編入学。
その後、まぁいろいろあって。
昭和9年<1934年>(27歳) 12月、『山羊の歌』を文圃堂書店より刊行。
昭和11年<1936年>(29歳)11月、幼くして長男文也病没。ここで精神的にまいる。
昭和12年<1937年>(30歳)千葉の療養所から鎌倉に転居。夏、帰郷を決意する。
でも結局それはかなわず10月22日に亡くなりました。

ある日記の文章が展示されてました。「僕はもう都会なんぞに憧れはせぬ。文化なんぞは知れたもの。然し田舎も愛しはえぬ。僕が愛すは漂泊だ」たしかこんな感じ。30才っていう若さで亡くなった中也ですから、まだまだふるさとに懐かしさってものはそんなに感じられなかったかもしれませんね。いや、中也ならおじいちゃんになっても、ふらふらしてたかも知れませんが(笑)。

ただ、山口の地元の風景を描いた詩や、「冬の長門峡」なんて詩もあったりしますね。おっ、ここで長門峡が出てきますか。前に高島北海の記事で書いたように、北海の尽力で長門峡が国指定名勝となるのが1923(大正12)年、中也が16才のころ。北海がいなければ、「冬の長門峡」という詩は生まれなかったかも。

「これが私の故里だ」
【記念館入口。】




2.中也とちがって、中也の祖父や父は郷土LOVE

僕はこの展示ではじめて知ったんですけど、中也の父や養祖父は大変な郷土愛の持ち主だったんですね。というより、昔の町のいわゆる有力者だったってところかな。中也の養祖父の政熊はフランシスコ・サビエルの記念碑を、父親の謙助は近くの高田公園の七卿おちの石碑を建てていますね。

うーん、地域の歴史が関わってくるここらへんがやっぱ僕には面白い。詩人中也や中也の作った詩は僕にはまだまだとっつきにくいんですよね。よく分からんのです。それに比べて、中也が育った時代とか歴史的な背景とか、そういったところが大変面白い。キリスト教やら明治維新の土地とか色々まざってきて。そして、中也自身の日記とか言動とかもちゃんと読んでいったら面白そうなんだよなぁ。

高田公園には中也の詩碑も後にたてらます。

「これが私の故里だ さやかに風も吹いてゐる <br />
あゝ おまへはなにをして来たのだと…… 吹き来る風が私に云ふ」>
【高田公園内にある中也の詩碑。「帰郷」の一部。】




3.「中也が読んだ本」から中也の頭ん中をのぞきみる

企画展「中也が読んだ本」。中也は弟に対してこんな言葉を残しています。「本を読めよ。とにかく読むんだ。学校の本なんか一日で読んで何でも読め。本を買ってくれなければ家中暴れ廻ってやれ」なんてね。

また、「速く読める本は大概駄目な本だ。ゆっくりしか読めない本を選び出してよくよく読むことだ」なんて言葉も。うーん、確かに中也の詩はすんなりとは読めない。

ところで、会場には中也の読書歴一覧表がありました。これを見ると、息子の文也の死後あきらかに心理学や宗教、哲学っぽいのが中心になっていますね。本棚ってのはその人が出来上がる為の要素が表れますね。そういう面がみれる良い展示でした。読書リストってどこか本とかに載ってるんですかね。調べてみたくなりました。

にしても30才までにこれだけ読んでいたんですね。うん。スゴいっす・・・。

高田公園入口
【高田公園入口。】



私の上に降る雪は中原フク/述、村上護/編
『私の上に降る雪は』

中也の母、フクが中也について語ったもの。家族からみた中也の姿って・・・。

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Posted by nettarou at 21:23Comments(0)TrackBack(0)・中原中也記念館