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2010年03月12日

小林和作の視点から見てみよう@山口県立美術館



山口県立美術館に行ってきました。
作品鑑賞入門講座として「小林和作 美しい構図を求めて」の講演があったからです。
小林和作は山口市秋穂の出身で風景画を多く描きました。
そのなかでも美しい構図というものを追求していたようです。

この他にも今月は雲谷派、陶器、日本画、写真のコレクション展があるようです。


1.小林和作は「No」と言える日本人画家でした


【美術館正面。ちなみに中央の魚の絵は小林和作でなく松田正平です。】

まずは、講演会の方から。
小林和作は自分の制作過程などを文章にしてまして。
それと作品などを見ながらの講演でした。
先着50名まででしたが、イスは半分以上空いてたかな。
講演で印象に残ったのは2つ

①芸術家もアイデアを寝かせていた事。
小林和作は美しい構図を求めて全国を歩き何枚も写生したそうです。
しかし、持ち帰ってみると実際に油絵の作品になるのはほんの数枚しか残らない。
ここらへんは、アイデアを寝かせて時間をかけて選びとるのと同じですよね。
天才や芸術家というとその場の情熱が大切かと思いがちですが。
実は多くは選び抜かれたものを形にしているんですね。

②否定する事で、逆に浮き彫りにされる事。
また、他の絵描きさんの嫌いな所を実名で言っている所が面白い。
誰々は品格がないだとか、面白くないだとか(笑)。
そうして、否定を重ねていく事で逆に小林和作の目指すものが見えてきます。
それははっきりとした構図と重ねるより塗ったそのままの強い色彩なのかな。


2.山口県出身で対照的な作風の絵描きさんが2人


【チラシ兼パンフ。実は2種類あるようです。】

で、実際に小林和作の展示作品をみてみました。
確かに写実的というより構図命!といった感じですね。
そして、色、色、色。
中央に水面で周りが山々の作品が多く、この構図が好みだったのかな。
ほかに写生の作品もありました。

もう一人、松田正平の展示もあります。
松田正平は宇部市出身で、こちらは美しい絵はだをもとめているらしいです。
キャンパス地が見えるくらい薄くのばした透明感があります。
そして、躊躇なく一気に引かれる黒い輪郭線。
たぶん、小林和作がこれを評したら「嫌いだ」と言っちゃうのかな(笑)

線というものにこだわりがあったのか。
文字もまた絵とおなじように作品となってました。
小林和作は構図と色彩。
松田正平は絵肌と輪郭。
僕は、うーん、どっちも好みじゃありません(笑)
小林和作が好きといった梅原龍三郎は好きなんですけどね。


3.あっ、構図を全部比べてみれば良かった・・・と今更後悔。


【この構図はどうですかね。ぼかしがしたいので最近一眼が欲しい。】

さて、ほかにもいろんなコレクション展がありました。
工芸のところは陶器。
テーマは朽ちない陶器で朽ちる木や書物などを表現する事。
相反する矛盾のような発想は面白い。

雲谷派と日本画の美人画は、正直、分かりません。
というか「あまり好きになれない」って言う方が正しいかな。
もちっと解説なりを増やして欲しいジャンルです。

あと、写真。
写真家がプライベートをうつしたもの。
奥さんの裸とかあります。
これを見て思ってしまった事。
写真家の奥さんって大変だなぁ(笑)。

セルフで自分自身と撮る写真家もいますが。
やっぱり自画像なりセルフは方法的にやりにくいってのと。
そもそも人は自分自身を見る思考が薄いんだろうな、と思ったり。
自分を客観視する事に無関心だよなぁと考えさせられた。

今、書きながら思ってたんですけど。
せっかくなら、構図という面で全ジャンル比べて見ても良かったなぁ。


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2009年12月09日

堀木エリ子の講演は美術講座ではない。ビジネス講座だ!

堀木エリ子さんは和紙作家であり女性起業家。
山口県立美術館での「堀木エリ子の世界展」(11月20日(日)まで)に関連して11月14日に講演がありました。
これが、美術講座というよりビジネス講座といった内容で。
エネルギッシュな堀木さんがいかにこの和紙という伝統産業を残そうとしたのか語られました。

その原点は職人さんのひたむきな姿を見た時のこと。
この姿を残さねばっと衝撃的につき動かされたそうです。
ここからが、いわゆる起業家。
どうやったらこの伝統を守れるのか。


1.伝統とは昔のままではでなく、新素材として受け継いでいくこと

書くものとしての和紙は安い洋紙に追いやられ現代ではほぼ絶滅状態。
そこで原点に戻って和紙の長所を探究。
強度が強い事と、つかうと質感が増す事。
これらの点から使い捨てる書き物でなく、長く使うインテリア用品がうかびました。

そこで、従来には大きさの和紙などを開発しインテリアの素材として伝統を継承しようされます。
他にも和紙に模様を書くのではなく、重ねてすく事で和紙そのものにデザインをもたせました。
これらの事から和紙づくりという伝統を残す道をつくられたのでした。


2.他にもビジネス格言的なものがぽろぽろと
・新しいものをつくるには、既存の道具からではなく、それをつくる道具からつくる
・和紙をつくるのではなく、和紙のある空気感をつくる
・作り手の考えではなく、相手の要望をきいて新しいものをつくる
・壁にぶつかったら、原点にかえって新しい考え方をだす
・機能や用途を考えてあげて普及させる

ビジネス書は書かれていないんですかね。
そのうち和紙の本でもだされたいいのに。


3.かんじんの展示の方はというと・・・
後日、かんじんの展示の方も見に行きました。
ただ作品そのものは正直な話、そんなにま新しさを感じませんでした。
僕個人の感想としては、やはり堀木さんは芸術家というより起業家のイメージです。
堀木さんが掘り起こしてくれたこの和紙の素材を他の芸術家やデザイナーがどう活かすか。
これが堀木さんの伝統産業を残す取り組みと、また和紙芸術としての今後の課題かと思いました。
和ものブームが続いているうちに・・・。



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2009年10月27日

山口市で県美展とアーツ&クラフト

県美展 あなたは見る人? つくる人?
終了間際に山口県美術展覧会に行ってきました。
正直、ほとんどの作品は僕の心には響きませんでした。
でも、いくつかは面白い!と思えるものも。
何より気づかされたのは、
そういや最近つくる事ってしてないなぁって事。

学生の頃は授業やら学園祭やらで何かつくってたなぁと。
鑑賞するだけでなく、自らがつくる側になる。
そこから見えるものってのも本当は良いんだろうなぁ。
県民による身近な人の創作に触れると、改めて気づかされたのでした。


アーツ&クラフトで創作心がむくむくと
ちょっと急ぎ足だったんだけど寄ってみました。
へぇー、130以上も参加してるんだぁ。
最近は革製品が気になるのでそこらへんを中心に。

ジョッター的なものを探してるんだけど、自分の理想の形は見あたらず。
文房具店とかけっこう探してるんですけどね。
どうも、これだってのが見つからない。

あっ、それなら自分でつくっちゃえばいいんだ。
アーツ&クラフトに溢れていた手作りものを見て、そう思えちゃいました。
芸術の秋。
紅葉とともに、創作心が深まりそうです。


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2009年09月21日

山口県立美術館「大ナポレオン展」




もう終わってしまったのですが、覚え書きとして。

食器をキャンパスにした生活ってのもいいかも!?
ナポレオンの遠征地の様子を絵皿にしたものがあった。
時の支配者のナポレオンの嗜好によって、
食器の絵柄のデザインが新たに生み出される。
今では食器類は形や機能的なものが多いけど、
昔は陶磁器とかでもキャンパスとして利用されてたんだなぁ。
今では食器類に絵がついているのは子供用のキャラクターくらい?

ナポレオンは復活していた!?
ナポレオンの死後の扱いが面白かった。
キリストになぞらえた?復活信仰みたいなの?があったり。
英雄というものを社会がどう扱うのかという点で興味がある。
今でも、ヒーローがもてはやされてはやがて落とされていく。
大衆って怖いっすね




で、この展示って美術館でやる意味あるの?
美術的でも歴史的でもなく百貨店のお宝展っぽいのだ。
ジュエリーの展示を見てなおさらそう思った。
ジュエリーにしたってもっと美術史的にデザイン的にとかの視点を
強調して展示できたはず。

しかし、県美はオプションが面白い!
と、最後はヨイショしておこうface02(笑)
「余の辞書に不可能という文字はない」とは言っていないとか書かれた
『大ナポレオン辞典』なるものが配られたり。
チケット裏に広告があったり。
最近毎企画展毎にカフェ併設やHP、ブログを立ちあげたり。
オプションは面白いと思うのです。
だからこそ展示で、おおっと思わせて欲しい!


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2008年08月14日

山口県立美術館の「美がむすぶ絆」を見てきました


↑山口県立美術館の位置です。
駐車場は図書館側にあります。
最近?駐車スペースが広がって停めやすくなりましたね。

山口県立美術館山口県立美術館(公式HPはこちら)です。

「美がむすぶ絆 ベルリン国立アジア美術館所蔵日本美術名品展」
が9月21日まで行われていますね。
イベントも多数用意されています。
日本美術の色んなジャンルが楽しめます。

他に水墨画の雪舟と洋画の香月泰男と萩焼の十二代三輪休雪の展示もあります。



1.ベルリン国立アジア美術館所蔵日本美術名品展

1-1.建物をどう描くか?
さて、平家物語が扇に描かれたものがありました。
普通建物の絵は柱が立方体として垂直に書かれると思うんですけど、
ここでは逆八の字、上に向かって開くように傾いて描かれてました。
これって、扇にするとまっすぐに見えたりするんでしょうか?
ちょっと不思議な発見でした。

他にも建物の絵で、縦に立つ柱は丸木で横になる柱は角材で異なっていたり。

1-2.女性がどう描かれているか?
江戸時代の日本橋の街の様子を描いたのも面白かったですね。
かまぼこ屋やら伊勢丹らしき店やらほんとに色んな商売人の姿がありました。
また、喧嘩をしようと腕まくりした男や、周りで怖がる女性などマンガチックで面白い(笑)
そう言えば、圧倒的に男性が多かったですね。
ショッピングと言えば今では女性が主流なのに。
本当にそうだったのか、絵図としてそうなってるだけなのか色々と妄想。

女性と言えば、女性の絵で多くが手を袖に隠しているのが気になりました。
これも、実際そういう仕種だったのか、絵図としてそういう風に描いているのか。
その理由も袖が長ったらしいからそうなるのか、手を露にしない習俗なのか、あるいは、その方が秘密めいて色っぽく見えるのかなど色々妄想。

1-3.浮世絵の技法を知る!
浮世絵コーナーでも自分としては新たな発見。
浮世絵というと色を重ねて刷ったカラーで華麗なイメージですが、
色をつけない「紅嫌い」というモノクロのものもあったのですね。
また、紙が凸凹に文様が浮き出るようにするような技法も。
これは写真じゃなくて実物を見ないとなかなか感じられないので是非現場で見てみてください。


2.雪舟と香月泰男と十二代三輪休雪

2-1.雪舟の偽物?、なわけないよね。
言わずと知れた雪舟。
室町時代に大内氏がパトロンとなって多くの作品が残されました。
もう展示替えで今はないのですが、大きな屏風2つがありました。
それも、本物と偽物かのようにほぼ同じ構図の2つ。
ひとつは雪舟の作品と伝えられるもので、洗練されたきれいな印象を受けました。
もう一方は、雪舟の流れを継いだ雲谷派の作品でより荒々しい感じがありました。
どうやらお手本として同じ構図のものが描いてたらしいです。
同じ構図でも書き手によって違うものだと改めて思いました。
関連記事:「京都の雪舟寺に行ってきました。」

2-2.戦争体験者からのメッセージです!
香月泰男は長門市三隅町の出身で下関高等女学校の美術教師を務めました。
また、敗戦後シベリアで抑留された経験があり、その後その体験が「シベリア・シリーズ」として多くの作品で描かれています。
今回、修復の終わった作品が展示されていますが、各作品に作者の言葉が添えられています。
作者の意図などが読み取れ分かりやすく良いですね。
シベリア・シリーズは黒で描かれているのですが、キャンパスの周囲には余白が残るかのように描かれています。
まるで、作者の頭の中にぼんやりと浮かんだイメージを表現しているように感じました。
関連記事:「下関ゆかりの人々の作品が並ぶ下関市立美術館所蔵品展」

2-3.茶碗で終わらせない萩焼
十二代三輪休雪の作品。
萩焼と言えば茶碗な感じですが、この方は現代的にオブジェとして萩焼を作られています。
正直、僕にはまだまだその良さが分かりませんが(笑)
何を表現しようとしているのか、メッセージがもっと分かるようになれば面白く感じられるだろうなぁ。
関連記事:「萩市の萩史料館と萩焼資料館に行ってきました!」



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